「オリコン」訴訟の続報!


★追記しました(12/19;22:35)

音楽配信メモ」のブログで続報が掲載されているので、以下に部分転載するが、ぜひ全文をお読みいただきたい。

訴状を読むと確かにサイゾー編集部に届いているものの、訴えているのは烏賀陽さん個人になっていますね。

サイゾー編集部にも問い合わせたところ、この訴状が届いていることが間違いないということがわかりました。追ってサイゾー編集部から正式なコメントをいただくことになっています。

なお、烏賀陽さんはこの訴訟の当事者であるため、自発的な発言が非常に難しい(微妙な)状況に置かれております。この訴訟に関する発言が少ないことに関しては、そのような事情があることをご理解ください。

さらにいえば、烏賀陽さんは第1回期日(来年1月4日)までに答弁書を作成し、裁判所に提出しなければなりません。それをしなければオリコン(原告)の主張が認められてしまうからです。この訴訟に関する(現時点での)彼の発言が少ないことに関しては、そのような事情があることをご理解ください。

烏賀陽さんの年末年始はこの答弁書の作成に追われることになってしまうでしょう(しかも高額の着手金を自腹で弁護士に支払って、です)。ライター・ジャーナリストにとって死ぬほど忙しいこの時期を狙い打ちし、本来はゆっくり落ち着くための年末年始を潰し、精神的に追いつめるようなオリコンのやり口は個人的に到底許すことはできません。本当に憤懣やるかたない思いでいっぱいです。


(追記3)
オリコンのサイトに事実誤認に基づく弊社への名誉毀損についてというプレスリリースが掲載されています。内容については訴状とあわせて各自ご判断ください。

いずれにせよ、この問題、来年初頭には司法の場で「事実誤認」があったかどうかが争われることになるわけです。僕は烏賀陽さんを応援しようと思っています。
http://xtc.bz/index.php?ID=396

民訴および名誉毀損の訴えは誰にも対等に保証された権利だから、その訴訟する権利は法理的・形式的にも阻害できないだろう。それから名誉毀損の構成要件は名誉毀損された事実の有無には無関係だ。但し「結果的に誰かの悪口になってしまっていたとしても、「真実を広く世の中に伝える」ことも大切である。だから、230条の2がある。内容が公共の利害に関することである場合は、結果として誰かの評判を落とすことになっても、それを知ることの利益を確保しましょう、ということである」(http://www.i-foe.org/civil_suit/index.htmlより)だそうだから、その辺(公益)を踏まえた「事実誤認」が論争ポイントになるようだ。
それから烏賀陽さんは弁護士をたてないで「本人訴訟」で立ち向かう手があると思ったのだが。これは本人が裁判ですべてに対応しなければならないので相当に大変なのだが……最新情報によれはすでに烏賀陽さんは弁護士に着手金を払った模様だが?
因みにオリコン側のプレスリリースを読む限り、オリコンは訴訟に勝つ気で来ているようだ。オリコンのプレスリリースによれば、論点は下記の2点だ。

①「オリコンは調査方法をほとんど明らかにしていない」(烏賀陽氏発言)


 弊社は、調査方法について昭和43年のランキング開始時以来明示しています。またその調査店についても平成15年7月以降、弊社のWEBサイト、雑誌等のメディアにおいて開示しています(3,020店)。さらに、調査方法については、他社メディアの取材にも応じています。


②「オリコンは予約枚数をもカウントに入れている」(烏賀陽氏発言)


 昭和43年のランキングの開始時から今まで予約枚数をカウントしたことはありません
http://www.oricon.co.jp/news/confidence/40446/

①の論点についてはオリコン側は開示情報の証拠を揃えているだろうから、その開示情報の内容のレベルとその信憑性が問題にできるだろう。つまり、実質的にオリコンが公開していないことを反証できればいいのでは?
②の論点については「予約枚数を入れている」という証明を烏賀陽さん側がするのではなくて、オリコンという巨大メディアとしての公共性に鑑みれば「予約数を入れていない」という「証明責任」がオリコン側にあるとする、いわゆる「挙証責任の転換論」で対抗できるのではないか?

★なお「J-CASTニュース」が、両者に取材して両者の言い分と紀藤正樹弁護士のコメントを掲載している。

マスコミ関連の訴訟に詳しい紀藤正樹弁護士はJ-CASTニュースの取材に対し、こうしたネタ元・記事を書いた「個人」に対する高額訴訟がここに来て増えているのだという。90年代までは報道を名誉棄損で訴える場合、100万円から200万円、高くて300万円くらいの賠償金で出版社と執筆者などをセットで訴えていた。しかし効果がなく、賠償金が1,000万円と高額になってもさほど変わらなかった。


「そこで02、03年ころから企業の新しい戦略として出てきたのがメディアにリークしたネタ元や、コメントをした人、記事を書いた人だけ訴える方法です。水道で言えば蛇口部分を締めることによって、情報の流出を止めようとするわけです」

出版社などと切り離された「個人」は弱い。ネタ元や執筆者はそれで萎縮し、企業に都合の悪い情報が出にくくなる心配もある。紀藤弁護士はこういう訴訟が増え続けると報道、そして、自由な言論の機会が脅かされる危険がある、としている。

http://www.j-cast.com/2006/12/19004459.html

★「音楽配信メモ」のブログで12/19付けの続報があるが、少しトーンが落ちている。→ http://xtc.bz/index.php?ID=397