「人文道場」だって、面白そう。

<「本]のメルマガ vol.226>で編集同人の五月さんが「人文道場」のレビューをしているので、下記に引用します。(全文はこちら http://urag.exblog.jp/2268273/

人文書って難しそう」「本当に面白い?」という疑心暗鬼に囚われている読者のために、「何を」「どの順番に」読んだらいいかを、その道のプロが月替わりでアドバイスするというのが、「人文道場」の趣旨である。

「人文道場」は、識者がテーマ別に5段階にわけて各1冊選書した書目とその関連書をブックフェア形式で店頭販売するものだ。記念すべき第1回は、明治学院大学社会学部教授の稲葉振一郎氏の選書による「所有・市場・資本について考えるための5つのSTEP」のフェアである。選者による選書コメントを掲載した、道場専用のフリーペーパーも配布するという。

段階を追って5冊の本を中心に読み進めていけば、くだんのテーマについて徐々に理解が深まるという仕掛けである。もう「何から読んだらいいsの?」とは言わせません、と売場担当者は意気込んでいる。

場所:三省堂書店神田本店4F人文書売場・昇りエスカレーター前
期間:05年9月26日(月)〜10月下旬まで
問い合わせ:三省堂書店神田本店4F人文書売場(電話03-3233-3312)
http://www.books-sanseido.com/kanda_4/

第2回は10月下旬より、野矢茂樹氏の選書による「ウィトゲンシュタイン論理哲学論考を読めるようになるための5つのSTEP」を展開するとのこと。

識者による選書のフェアというのは別段珍しいものではない。しかし「人文道場」の場合は明解に「入門書から始めて専門書へ導く」という段階を重視している点で、まんべんなく全点が売れてくれることを期待するフェアとは一線を画している。さらに、入門書各種をとりあえず取り揃えるという平凡な啓蒙主義とも異なっている。

こういう企画が人文書の売上の底上げになっていくことを期待したいし、関西も含めて各県の一番書店でも行ってほしいものですね(すでに大学生協書籍部では行っているのかも知れませんが)。地元の大学の先生と連携して選書すれば可能なのではないでしょうか? 稲葉振一郎氏の本は数冊読んでいるが、氏の選書リストを早く見たいものです。