新刊案内

久方ぶりに知人の編集者より案内が届く。制作・編集に3年近くを費やした本で、徹底的にこだわって作った自信作だそうです。

■新泉社担当編集より
 編集、制作に2年以上の歳月を費やしましたが、いよいよ出版の運びとなりました。レイラ・ザーナという1人の象徴的人物を通して、トルコ社会においてクルド人のおかれてきた状況をきわめて複眼的、立体的に把握できる内容です。また、封建的なクルド社会のもとで小学校にも通えず、親の強制により15歳で結婚させられた1人の女性の闘いの半生を知る読み物としても、読みごたえ充分の内容であると自負しています。小社では、本書を皮切りに、クルド学研究のさまざまな成果を日本社会に問う「クルド学叢書」を継続刊行していく予定です。販売へのご理解とご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。(安喜)

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【転送歓迎】

■2005年12月新刊、発売中
クルド学叢書『レイラ・ザーナ――クルド人女性国会議員の闘い』
中川喜与志、大倉幸宏、武田歩/編
ファイサル・ダール、イスマイル・ベシクチ/寄稿
A5判並製・368頁・定価2800円+税 ISBN:4787705008
発行:新泉社  http://www.shinsensha.com/

――クルド人として、女性として、政治犯として――
 クルド人女性で初めて、トルコ国会に30歳の若さで当選したレイラ・ザーナ。厳しい同化政策がとられてきたトルコで、クルド民族の存在認知を訴え、禁止された母語で議員宣誓を行ったために、テロリストとして死刑求刑され、10年にわたり獄中に囚われ続けていた民族のヒロイン。
 欧米ではアウン・サン・スー・チーと並ぶ知名度があるといわれ、「サハロフ賞」をはじめとする数々の平和賞を受賞、1995年には「ノーベル平和賞」の最終候補に残ったとされる。
 封建的なクルド人村落に生を受け、親の強制で14歳の時、20歳年上の従兄弟と結婚。15歳で子どもを産み、その後、政治活動家となっていくレイラの波乱に満ちた半生と、その投獄事件の全容を複眼的、立体的に見つめ、クルド人問題の本質とは何かを鋭く考察する。

【目次】
序 民主化の旗手か、テロリストか?(中川喜与志) 3
1 なぜレイラ・ザーナは投獄されたのか?(中川喜与志) 13
2 夜を照らす暗黒―レイラ・ザーナ半生記
                (ファイサル・ダール) 55
3 獄中からのメッセージ 95
4 獄中からの手紙 163
5 起訴状と弁論―1994年レイラ裁判 217
6 トルコにおける政党政治クルド人たち
               (イスマイル・ベシクチ) 297
資 料 316
編者あとがきにかえて 321
  レイラの故郷バフチェ村を訪ねて(中川喜与志) 322
  クルド人問題を見る視座(大倉幸宏) 341
  レイラ・ザーナが照らし出すもの(武田歩) 344
事項索引 viii
人名索引 iii
編者・執筆者紹介 i

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下記のページで、中川喜与志氏の刊行に寄せての文章が
掲載されています。

 ■NR出版会新刊紹介
 http://www006.upp.so-net.ne.jp/Nrs/memo0507.html

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【関連書籍紹介】
・イスマイル・ベシクチ/著、中川喜与志・高田郁子/編訳『クルディスタン=多国間植民地』柘植書房新社、1994年
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4806803502/qid=1133973692/sr=1-2/ref=sr_1_10_2/250-8256675-8041834
・中川喜与志/著
 『クルド人クルディスタン南方新社、2001年
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4931376592/qid=1133973692/sr=1-1/ref=sr_1_10_1/250-8256675-8041834
・松浦範子/文・写真
 『クルディスタンを訪ねて――トルコに暮らす国なき民』新泉社、2003年
http://www006.upp.so-net.ne.jp/Nrs/shohyo1701.html
・中島由佳利/著
 『新月の夜が明けるとき――北クルディスタンの人びと』新泉社、2003年
http://www006.upp.so-net.ne.jp/Nrs/shohyo1704.html