傘寿の祝い

僕の母親が今月の誕生日で、数えの80歳になる。「傘寿」と書いて「さんじゅ」と読む。岩波電子国語辞典によれば、<「傘」の俗字が「八十」に分解できることから>からだそうだ。
先月文化の日にFチーママさんや黒服のM君、N女王様たちと曽爾高原ファームガーデンと赤目四十八滝にドライブに行った帰りの食事会で、ふとしたことから親の歳が話題になった。それで、僕の母親が今年数えで80歳になることに気づいた親不孝息子の僕は、みんなからお祝いをすべきだと諭され、この数日贈り物をを物色していたのだが……デパートや専門店を覗いては見るものの、あのデパートの売り子というか店員というのが僕は鬱陶しくて苦手なのだった。
まあそれでもなんとかしのいで、数年遅れの父親の傘寿祝いと併せて二人分のセーターとカーディガンを購入して宅配便にて送ったという次第。
話はちょっと横道にそれるが、ジュンク堂書店梅田店が入店しているヒルトンプラザイーストは高級ブティック店ばかりが入店していて、もちろん僕にはそのブティックは用無しで横目で観察しながら5階のジュンク堂書店に向かうのだが、この高級ブティック店にはほとんど客がいないかいても一人か二人である。店員のほうが多い店もあるぐらいだが、これでも商売として成り立っているのは一点物の高級品ばかりだからだろう。
偶然だが、常連と思しきマダムがその高級店を退出する際に5人もの店員が深々とお辞儀しているのを目撃したことがあった。百円台の文庫本からせいぜい数千円台の本を売っている本屋さんとの落差をしみじみと感じた一瞬のことである。
もちろん僕の可処分所得からして、両親に贈ったのはそのような高級店の品ではないことは断るまでもないのだが……(微笑)。