10/23「毎日新聞」の書評への恣意的感想

●『いろんな色のインクで』(丸谷才一、マガジンハウス)、書評者:鹿島茂
「至芸の語り口、全読書人に贈る書評集」と副題があるようだが、書評名人の書評集を、これまた書評名人の誉れ高い鹿島茂が書評しているのだから、僕のごときドラ猫などは畏れ多くてコメントできないくらいだが、ちょとだけマーキングしておこう。
鹿島は話の枕として、<「東海林さだおさんは「かけうどん」はラーメンに比べると、「さて」がないゆえ食べていて物狂おしくなると指摘した。ラーメンなら、さてこの辺でチャーシューを食べるか、ナルトをつつくかという気分転換があるが、かけうどんにはこの「さて」がないからだ。>と始める。これでお客は引きこまれてしまう。この「さて」と本書の編集の妙味を関連づけるとは、なんとも手練れの技ですなぁ。見習おう。でも丸谷や鹿島のような大教養人と違って、こちトラらはネコの額ほどの教養しかないからなぁ(苦笑)。下記のサイトで鹿島の書評は全文お読みいただけます。
http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/gakugei/dokusho/news/20051023ddm015070075000c.html
ところで、毎日新聞の書評がwebでほぼリアルタイムで読めるのは同社の太腹か? 朝日新聞も、いぜんはほぼリアルタイムで読めたのだが、最近は数日遅れなのは残念、読売新聞も同様。朝読の二大新聞は高給取りなんだから、度量の広いところ見せてよ〜。