社会福祉法人釜ヶ崎ストロームの家 入居者追い出し事件 裁判提訴集会

貧困ビジネスはこの間マスコミ等でも取り上げられていますが、「支援」という名目の社会ビジネスとかNPO・福祉法人における人権侵害は、なかなか表面化しないのですね!

なお、社会福祉法人釜ヶ崎ストロームの家と社会福祉法人ストローム福祉会は別の法人です」とのことですが、紛らわしいですね!

社会福祉法人釜ヶ崎ストロームの家 入居者追い出し事件 裁判提訴集会
  利用者の自己決定が尊重される支援を!

日時:2014年4月6日(日) 16時から
会場:喜望の家 (所在地:大阪市西成区萩の茶屋2-8-18)

   集会後は、交流会もやるンデス!!
       
主催:釜ヶ崎ストロームの家による人権侵害を許さない会
 呼びかけ人:大谷隆夫(釜ヶ崎医療連絡会議代表理事
       生田武志(野宿者ネットワーク代表)
 呼びかけ団体:ユニオンぼちぼち(関西非正規等労働組合

 発端となった不当解雇事件

 釜ヶ崎ストロームの家で働いていた清水裕さんは2013年2月22日の朝、上司から突然懲戒解雇を言い渡されました。解雇理由は「利用者に他の施設の話をしたため」という納得しがたいものでした。その後、組合との交渉で施設側は不当な懲戒解雇を撤回しました。しかし、清水さんを解雇したこと判断は間違っていないという主張を崩しませんでした。

 2013年3月26日 入居者追い出し事件

 坂本篤重さんは2009年頃からジョイに入居し、就職に向けて頑張ってきました。ストロームの職員は数年にわたり「うちが支援してやらなかったら、今頃は刑務所」などと、過去に逮捕歴のある坂本さんを脅してきました。また、清水さんの不当解雇事件に疑問を持ち、ジョイの食事をとらなくなった坂本さんに「そんな事をしたらジョイを出て行かなければいけない」「坂本さんが清水さんと連絡を取れば、清水さんは精神保健福祉士の資格を失い、刑務所に入れられる。携帯の番号を消しなさい」とも脅した疑いがあります。
 坂本さんは脅しに屈しなかったため、ストロームの家の職員から「生活態度が悪い」と評価を受け、既に内定を受けていた就職を勝手に断られました。軽度の知的障がいで、読み書きに障がいがある坂本さんと就職先との間の連絡はストロームの家の職員が行っていましたが、その立場を利用し、勝手に就職先に電話を入れて内定を取り消したのです。更に、3月末日までの家賃が支払い済みであるにも関わらず、担当職員の乾氏はジョイの鍵を取り上げ、着替えも家具も持たせないまま自室への立ち入りを禁止し、彼を路上に放り出しました。

 坂本さん事件は村田浩治弁護士(堺総合法律事務所)、南和行弁護士(なんもり法律事務所)、吉田昌史弁護士(なんもり法律事務所)の3人の弁護士が引き受けて下さる事になりました。
 今回の集会では、3人の弁護士の方々を迎え、裁判でどう闘っていくのかを話していただきます。集会後には交流会も予定しております。是非お越しください。

社会福祉法人釜ヶ崎ストロームの家と社会福祉法人ストローム福祉会は別の法人です。http://unionbotiboti.blog26.fc2.com/blog-entry-360.html

Web評論誌『コーラ』21号のご案内

★追伸2014/03/07)、Web評論「コーラ」サイトが、新URLに移行しましたのでリンクされている方はご変更をお願い申し上げます。
新URL:http://homepage1.canvas.ne.jp/sogets-syobo/index.html

なお、旧URLの<http://sakura.canvas.ne.jp/spr/lunakb/>の部分を、<http://homepage1.canvas.ne.jp/sogets-syobo/>に差し替えると、バックナンバーのURLリンクも更新できます。

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 ■■■Web評論誌『コーラ』21号のご案内■■■

 ★サイトの表紙はこちらです(すぐクリック!)。
  http://homepage1.canvas.ne.jp/sogets-syobo/index.html
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 ●現代思想を再考する[第2期] 3●
  グノーシス的日本

  広坂朋信(コメント:岡田有生)
  http://homepage1.canvas.ne.jp/sogets-syobo/gendaisisou-s3.html
  1.柄谷行人の今村社会哲学評
  柄谷行人は、朝日新聞2005年04月17日付けの書評欄で、今村仁司の『抗争す
 る人間』(講談社)を取り上げた。その記事で柄谷は「本書は、社会哲学者と
 して知られた著者の、これまでの仕事を集大成するような力作である」と儀礼
 的に評価しながら、今村の議論を次のように要約している。
 (以下、Webに続く)

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  ●連載:哥とクオリア/ペルソナと哥●
   第27章 言語・意識・認識(言語フィールド篇)

  中原紀生
  http://homepage1.canvas.ne.jp/sogets-syobo/uta-27.html
  ■井筒豊子の和歌論三部作
  日本古典文学、とりわけ古今、新古今をめぐる言語哲学的意味論。この、実
 現されなかった井筒俊彦の和歌論を「類推」させる仕事として、若松英輔氏は
 『井筒俊彦──叡知の哲学』で、次の五つの事例をあげていました。
  その第一は、千載集における幽玄の復活を論じ、和歌の蘇生を、そして同時
 に和歌における自覚的な伝統の樹立を考察した風巻景次郎の『中世の文学伝 
 統』、(風巻景次�欖いわく、「だから私は『千載集』の抒情調をもって幽玄で
 あるということにしよう。そこで『千載集』が『古今』の正調に復したという
 のは、つまり幽玄の調を打ち立てたことにほかならぬのである。ただ『古今 
 集』と『千載集』とではどこがちがっているのであるかといえば、それは『千
 載集』は、幽玄という如きことを「詩」の必要条件として要求する心の生んだ
 ものであったということである。『古今集』にはそうした意識はまだ成立して
 いないのである。((以下、Webに続く)

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  ●連載「新・玩物草紙」●
   猫は美形を保ったまま/人形姫

  寺田 操
http://homepage1.canvas.ne.jp/sogets-syobo/singanbutusousi-11.html
   (以下、Webに続く)
  中華そば屋の暖簾の下を猫がのんびり歩いていく表紙の文芸雑誌「猫町文 
 庫」3集(2012・5)を開くと、和田ゆりえ『猫屋敷』に手招きされ  
 た。
 《古代エジプトでは飼い猫が死ぬと、人々は眉を剃り落として悲しみ、ミイラ
 にしてバステト女神の神殿に奉納したといいます。》《彼らすべてに心優しい
 飼い主がおり、死後はふたたび彼らといっしょに暮らしたいという願いを込め
 て、丁重にミイラにしたのです。》
  古代エジプトでは死後の永遠が信じられているから、猫のミイラもあるのだ
 ろう。イギリスの探検隊がエジプトで30万体の猫のミイラを発見したという
 が、小説の主人公は古代エジプト人ではない。猫と共生している独身女性の暮
 らしを描いた作品だ。クレオパトラが黒猫を抱いて寝ている姿が目に浮かん 
 だ。 ((以下、Webに続く)

Web評論誌『コーラ』20号のご案内

■■■Web評論誌『コーラ』20号のご案内■■■

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 ●現代思想を再考する[第2期] 2●

  自由の条件─―今村仁司『排除の構造』から

  岡田有生(コメント:広坂朋信)

  http://homepage1.canvas.ne.jp/sogets-syobo/gendaisisou-s2.html

  はじめの頃(『コーラ』16号)に今村仁司の80年代の仕事について書いたこ

 とがあったが、そこでは最も有名な著作『排除の構造』については論じること

 が出来なかった。

  今回は1989年に単行本が出版されたこの本の内容について考え、現在の社会

 状況との関わりを探ってみたい。(以下、引用文のページ付は1992年出版のち

 くま学芸文庫版のもの)(以下、Webに続く)

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●連載〈心霊現象の解釈学〉第4回●

  生きている女の幻と心霊研究

  広坂朋信  

  http://homepage1.canvas.ne.jp/sogets-syobo/sinrei-5.html

当代一流の科学者たちが認めたのだから心霊現象は証明されたと誇らしげに

 語る人もいる。その一方で、一流の科学者ですら心霊術師のトリックに引っ掛

 かったのが嘆かわしいという人もいる。いずれの場合も、科学の役割を過大評

 価している。

  カントは理論の暴走を経験によってたしなめた。エンゲルスは経験の過信は

 理論によって正すべきだと提言した。

  この連載コラムの前々回で、私はヘーゲルのメスメリズム評価を検討しなが

 ら次のように書いた。 (以下、Webに続く)

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  ●連載:哥とクオリア/ペルソナと哥●

   第24章 存在の風に吹かれて──和歌のメカニスム?

   http://homepage1.canvas.ne.jp/sogets-syobo/uta-24.html

   第25章 存在の風に吹かれて(承前)──和歌のメカニスム?

   http://homepage1.canvas.ne.jp/sogets-syobo/uta-25.html

   第26章 存在の風に吹かれて(附論)──和歌のメカニスム?

   http://homepage1.canvas.ne.jp/sogets-syobo//uta-26.html

  中原紀生

  ■深層意識的言語哲学、二十世紀の神学

  司馬遼太郎との対談で井筒俊彦が語った、古今、新古今の思想的構造の意味

 論的研究の話題への伏線、その一。

  若松英輔著『井筒俊彦──叡知の哲学』のなかで、もっともすぐれた着想で

 あり業績である(と私には思われる)、白川静の文字学と井筒俊彦の「深層意

 識的言語哲学」との比較論をとりあげたいと思います。

  まず、二十世紀の言語学について書かれた若松氏の文章を二つ、その言外の

 拡がりや味わいを含めて丸ごと抜き書きします。(以下、Webに続く)

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  ●連載「新・玩物草紙」●

   ペンギン/ゴジラ

  寺田 操

http://homepage1.canvas.ne.jp/sogets-syobo//singanbutusousi-10.html

  コカコーラの缶を投げるとペンギンに変身する。チェス盤から大きな泡がは

 じけるような音がしてコウモリが生まれる。シロナガスクジラのような銀色の

 生き物が川で泳ぐ。それらを作るマジックを起こす歯科医院につとめるお姉さ

 んと、チェスの対戦相手である小学四年のアオヤマ君の物語が、森見登美彦 

 『ペンギン・ハイウェイ』(角川文庫・2012・11・25)だ。こんな魅力

 的なコンビがいたらこの世は何と面白くなるだろう、降りつもる雪のなかに立

 つ幻のペンギンに挨拶してみた。 (以下、Webに続く)

Web評論誌『コーラ』19号のご案内

ログインのIDtパスワードを失念してしまって、この間ブログの更新ができなかったのですが、本日何とか復旧いたしました。

 ■■■Web評論誌『コーラ』19号のご案内■■■

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 ●現代思想を再考する6●
 差異と継承
 
  ST(コメント:広坂朋信)
  http://homepage1.canvas.ne.jp/sogets-syobo/gendaisisou-6.html
  1:差異
  この文章で問題となるのは差異とその継承である。そこでまず、批判・検討
 を加えるべき叩き台として問いを立てる:差異を如何にして継承するか?
  この問いの批判・検討をされるべき点は、この問いが、差異を継承に先立っ
 て現前するものであると聞き手に誤解させる恐れのある点である。つまりこの
 問いは、現前的で同一な差異というものがまずあって、その後にそれを継承す
 る方法を問う問いであると、聞き手に誤解させる恐れがある。
  しかし勿論、「現前的で同一な差異」という文は矛盾している。差異は差異
 である限り、いかなる現前性と同一性からも差異化する。だから差異は、差異
 として現前性と同一性において規定されること自体からも差異化するものであ
 る。つまり差異は、差異(という規定)から差異化し、したがって差異自身か
 ら、自己自身から差異化する。自己からの差異化が差異である。(以下、Web
 に続く)
 
  ---------------------------------------------------------------

 ●現代思想を再考する[第2期]1●
  柄谷行人『世界史の構造』の枠組みについて

  岡田有生(コメント:広坂朋信)
  http://homepage1.canvas.ne.jp/sogets-syobo/gendaisisou-s1.html
  柄谷の態度変更・批評から体系へ
  80年代以後の日本を代表する批評家・思想家である柄谷行人の著作『世界史
 の構造』が出版されたのは、2010年6月のことだ。その時、書物好き、思想好
 きの人の間では、この本は大きな話題になったと思うのだが、僕は80年前後か
 らの愛読者でありながら、この本をこれまで読まずにきた。正直、柄谷に対す
 る関心が、いつ頃からかすっかり薄れていたためである。
  ただ、この大作の概要のようなことが書かれている『世界共和国へ』という
 本が、2006年に岩波新書から出され、そちらの方は読んだ。だから、著者の主
 張の大枠は知っていたわけだが、その内実というか、思想の中味のようなこと
 については、この本を読んではじめて知ることになったと言っていいと思う。
 (以下、Webに続く)

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  ●連載:哥とクオリア/ペルソナと哥●
   第23章 
 
  中原紀生
  http://homepage1.canvas.ne.jp/sogets-syobo/uta-23.html

  ■宇宙音声が飛び交い、アラベスクのごとく文字が立ち上がり絡まる場所
  司馬遼太郎は『十六の話』に収められた「アラベスク──井筒俊彦氏を悼
 む」で、井筒俊彦の学問をめぐって、「古今東西の万巻の古典をそれぞれの言
 語で読み、それをつきあわせつつ、個人や集団がもっている無意識下の深層に
 入り、その混沌の本質をつかまえ、体系化した」と書いています。
 (以下、Webに続く)

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  ●連載「新・玩物草紙」●
   アイロニカルな沖縄料理/詩想の箱

  寺田 操
http://homepage1.canvas.ne.jp/sogets-syobo/singanbutusousi-9.html
  アイロニカルな沖縄料理
  八重洋一郎詩集『沖縄料理考』出版舎Mugen/2012・7・7)を開く。料理考
 とあるが、詩集はけしてグルメではない、生きのびるための食なのだと優しく
 笑いかけながら宣戦布告された。
 《あのドストエフスキー描く/悪魔さえまっさおな/ニヒリスト/スタヴロー
 ギン/豪華なパーティーの席上/だれかにチョット/声をかける/お耳を拝 
 借…… そして何かを/ささやく(ふり)/ガフッ!/耳をちぎれんばかりに
//(昔 恋人を争って相手の耳を食べたものもいる)//コリリ コリリ
 クラゲのような/その噛みごこち》(「耳ガー」)(以下、Webに続く)

Web評論誌『コーラ』17号のご案内

■■■Web評論誌『コーラ』17号のご案内■■■

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 ●現代思想を再考する4
 神話劇を見る視線
 
  広坂朋信(コメント:岡田有生)
  http://homepage1.canvas.ne.jp/sogets-syobo/gendaisisou-4.html
  岡田有生氏の前回の論考は、今村仁司の第三項排除効果論を取り上げて、深
 く鋭く問い直すものだったが、私は山口昌男スケープゴート論について浅薄
 かつ散漫におしゃべりしてみたい。一知半解の駄弁を読む暇のない方は、本稿
 に寄せられる岡田氏のコメントにだけ眼を通していただければ結構かと思う。
 以下、御用とお急ぎのない方だけお付き合いいただこう。
 
 今村仁司の二つの注
  さて、今村仁司はその著書『暴力のオントロギー』の最終章で「供犠(サク
 リファイス)の論理は、エディプス・コンプレックス、象徴的父親殺し、象徴
 的自殺、象徴的近親相姦ないしナルシシズム、さらにはヒトラーの政治神話的
 戦略にいたるまで、種々の形態をとりうる」としたうえで、それに次のような
 注を付していた。(以下、Webに続く)

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  ●連載〈心霊現象の解釈学〉第4回●
   少女が死霊に取り憑かれるまで――妄想「累ヶ淵」

  広坂朋信  
  http://homepage1.canvas.ne.jp/sogets-syobo/sinrei-4.html
  夏場なのでどうあっても幽霊を出したいところである。この連載コラムは、
 カント、ヘーゲルエンゲルスと来たのだから次は順当にいったらベルクソン
 あたりなんだろうが、赤毛ものばかり続くのも少し飽きてきたところだ。それ
 に、夏の幽霊と言えば日本の風物詩であるから、今回はがらりと趣向を変えて
 日本の幽霊を出したい、いや、お出でいただきたい。ということで、ハイ出ま
 した、出ていただきました。どなたかというと、「累ヶ淵」の累さんである。
 ルイじゃありませんよ、かさね、と呼んでください。実在した人物ですから
 ね、失礼のないようにしたいものです。(以下、Webに続く)

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  ●連載:哥とクオリア/ペルソナと哥●
   第21章  水なき空のメタフィジィク・下句
        ──ラカン三体とパース十体(急ノ伍)
 
  中原紀生
  http://homepage1.canvas.ne.jp/sogets-syobo/uta-21.html
  ■修辞から境地へ─第二のメタフィジィク
  これより、定家十体をめぐる『初期歌謡論』の議論を駆け足で、いわば「ク
 イック・フォックストロット」のリズムでもって見ていきます。が、その前
 に、議論の前提となる事柄をひとつ、確認しておきます。
  前々章で引いた文章のなかで、吉本隆明氏は、壬生忠岑の和歌体十種と定家
 十体との「二世紀半ほどのあいだに、歌をつくることは、表現を媒介にしてあ
 る心の境地を、いいかえればメタフィジィクを獲得することだというところに
 踏みこんでいったのだ」と書いていました。(以下、Webに続く)

  ----------------------------------------------------------------

  ●連載「新・玩物草紙」●
   記憶遺産/破れた世界と、ヴェルテップ

  寺田 操
http://homepage1.canvas.ne.jp/sogets-syobo/singanbutusousi-7.html
  2011年5月、ユネスコの「世界記録遺産」に登録された山本作兵衛の筑
 豊炭鉱画は、地下労働者の生活がリアルに描かれた貴重な生活記録であった。
 記録遺産とは、人々の営みを記録した歴史的な文章の保存を目的として
 1992年にはじまり、アンネの日記など76ケ国190件以上が登録されて
 いる。
  炭坑産業の記録は、政府の公文書や企業の記録として残っている。何しろ
 「石炭なくしては国家の発展はなく、文化の興隆はありません」などと言った
 国家エネルギー・プロジェクトだったのだから。けれども、実際に炭坑の現場
 で働いていた労働者のリアルな行為は、ここでは記述されてはいないだろう。
 わたくしは『まっくら―女坑夫からの聞き書き―』(森崎和江著・山本作兵衛
 画/1970・8/現代思潮社)で、炭坑産業とそこで働き暮らす人々の記録
 と文化を知った。それにもまして山本作兵衛が92歳で亡くなるまで描いた2
 千枚近い絵は、実際に現場にいた者にしか分からない死と隣り合わせの地下世
 界を、精緻なタッチで伝達してくれた。(以下、Webに続く)

21*[「コーラ」]Web評論誌『コーラ』18号のご案内

とうとう年末。今年も残すところ16日となりました。
今年一年たいへんお世話になりました。
来年もよろしくお願い申し上げます。


■署名のお願い:市民の不当逮捕に抗議します。

 放射能と有害物質を含む震災がれきの広域処理に反対する市民の逮捕は不当です。下地真樹准教授らの即時釈放と謝罪を求めます。
 ★署名サイト http://keepcivicactivity.jimdo.com/

不当勾留中の下地さんから 声明文が届きました。↓
http://blog.goo.ne.jp/garekitaiho1113/e/79c68fd4e86da4ec02b2e01a5188052b

沢田研二の応援演説映像
「昔ジュリー、今ジジイ」の沢田研二による、原発廃止への思いがよく伝わって来る演説です。↓ (録画の中頃に登場)
 http://www.ustream.tv/recorded/27708252

 ■■■Web評論誌『コーラ』18号のご案内■■■

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 ●現代思想を再考する5
 怨霊と祝祭、または世界劇場論的思考のために
 
  広坂朋信(コメント:岡田有生)
  http://homepage1.canvas.ne.jp/sogets-syobo/gendaisisou-5.html

  忠臣蔵論争への挨拶
   忠臣蔵論争というものがあった。『仮名手本忠臣蔵』(以下、忠臣蔵と略
 記)は歌舞伎の人気演目だから、これをめぐる論争はいくつもあったろうが、
 ここで私が念頭に置いているのは、今年(2012年)の10月に亡くなった作家・
 丸谷才一と国文学者・諏訪春雄とのあいだで、1985年に交わされた論争であ
 る。論争のトピックスとなった忠臣蔵とそのモデルである赤穂事件について
 は、現代でもたびたび舞台、映画、テレビドラマ化され、関連書籍も多数発行
 されているので端折らせてもらう。
  さて、この忠臣蔵論争の発端は、1984年に発表された丸谷による評論『忠臣
 蔵とは何か』(講談社)だった。民俗学や人類学を参照しながら、忠臣蔵とは
 御霊信仰を動機にしたカーニヴァル的演劇だと論じた丸谷は、同書の結論部分
 で「うんと大づかみに言へば、春と冬の対立と交替といふ自然界の循環の比喩
 の上に、将軍徳川綱吉あるいは徳川体制への呪ひを盛りつけたのが『仮名手本
 忠臣蔵』の基本の構造」だと自説を要約している。(以下、Webに続く)

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  ●連載:哥とクオリア/ペルソナと哥●
   第22章 バベルの後の詩人たち──和歌のメカニスム?
 
  中原紀生
http://homepage1.canvas.ne.jp/sogets-syobo/uta-22.html

  これより先の数章は、ラカン三体とパース十体(さらには、貫之三体と定家
 十体)の錯綜した関係(もしくは、無関係)をめぐる挫折した論考の後始末、
 いいかえれば、余情というよりは未練の、倒錯した残心の構えでもって試みた
 落穂拾いの顛末記です。いわば、「ラカン三体とパース十体・残」の巻。
 
 ■和歌という意識
 
  前章で、吉本隆明(『初期歌謡論』)による定家十体二重構造の説(定家十
 体を、幽玄様・長高様・有心様・事可然様・麗様という、「追いつめられた純
 粋詩」の世界に充てられる五つの歌体群と、見様・面白様・濃様・有一節様・
 拉鬼様という、「今様の歌曲俗謡の世界が、和歌的な声調に圧倒的な力で浸透
 してきたこと」がもたらす和歌形式の崩壊の危機への「何らかの意味での救抜
 (Erloesung)」のために設定された五つの歌体群とに二分する)をめぐっ
 て、純粋詩としての和歌を味わい、感銘を受けるためには、鑑賞者自らが作者
 となって、その当の歌をオリジナルな自作詠として「いひいだす」のでなけれ
 ばならない、といった趣旨のことを書きました。このことに関連する話題を二
 つ補います。(以下、Webに続く)

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  ●連載「新・玩物草紙」●
   庭 園/迷 宮

  寺田 操
http://homepage1.canvas.ne.jp/sogets-syobo/singanbutusousi-8.html

  ベランダの鉢植えに蜂がやってくる。土に触るのは苦手、おまけに虫が怖
 いときている。野道で摘んだヨモギに青い小さな虫がついていたのを見つけ
 て、草餅にする気にならず捨ててしまったとき、「虫がつくのは新鮮な証拠だ
 よ」と笑われたが、虫愛ずる姫になどなれない。けれど、草木のないベランダ
 は殺風景だからと、パセリ、クレソン、ローズマリー、ミント、バジル、ラベ
 ンダーなど、食べられる草の鉢植えや季節の花を少しだけベランダで育ててい
 る。コンテナで野菜を育てたことがあったが、ミニトマトもキュウリも茄子も
 苺も唐辛子も木の芽も、どれもこれも小さくしか育たなかった。書斎の窓際に
 は、コーヒー豆などのいくつかの観用植物。小さな我が庭園だ。冬場は豆苗、
 人参、蕪、大根などの野菜の残りもので水耕栽培。数年前にスーパーの景品で
 もらった名も知らぬ植物は、妖しく伸び出していまや70センチの丈。次々と
 大きな葉をつけて緑の涼を運んでくれる。(以下、Webに続く)

Web評論誌『コーラ』17号のご案内

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 ●現代思想を再考する4
 神話劇を見る視線
 
  広坂朋信(コメント:岡田有生)
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  岡田有生氏の前回の論考は、今村仁司の第三項排除効果論を取り上げて、深
 く鋭く問い直すものだったが、私は山口昌男スケープゴート論について浅薄
 かつ散漫におしゃべりしてみたい。一知半解の駄弁を読む暇のない方は、本稿
 に寄せられる岡田氏のコメントにだけ眼を通していただければ結構かと思う。
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 今村仁司の二つの注
  さて、今村仁司はその著書『暴力のオントロギー』の最終章で「供犠(サク
 リファイス)の論理は、エディプス・コンプレックス、象徴的父親殺し、象徴
 的自殺、象徴的近親相姦ないしナルシシズム、さらにはヒトラーの政治神話的
 戦略にいたるまで、種々の形態をとりうる」としたうえで、それに次のような
 注を付していた。(以下、Webに続く)

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   少女が死霊に取り憑かれるまで――妄想「累ヶ淵」

  広坂朋信  
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  夏場なのでどうあっても幽霊を出したいところである。この連載コラムは、
 カント、ヘーゲルエンゲルスと来たのだから次は順当にいったらベルクソン
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 に、夏の幽霊と言えば日本の風物詩であるから、今回はがらりと趣向を変えて
 日本の幽霊を出したい、いや、お出でいただきたい。ということで、ハイ出ま
 した、出ていただきました。どなたかというと、「累ヶ淵」の累さんである。
 ルイじゃありませんよ、かさね、と呼んでください。実在した人物ですから
 ね、失礼のないようにしたいものです。(以下、Webに続く)

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  ●連載:哥とクオリア/ペルソナと哥●
   第21章  水なき空のメタフィジィク・下句
        ──ラカン三体とパース十体(急ノ伍)
 
  中原紀生
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  ■修辞から境地へ─第二のメタフィジィク
  これより、定家十体をめぐる『初期歌謡論』の議論を駆け足で、いわば「ク
 イック・フォックストロット」のリズムでもって見ていきます。が、その前
 に、議論の前提となる事柄をひとつ、確認しておきます。
  前々章で引いた文章のなかで、吉本隆明氏は、壬生忠岑の和歌体十種と定家
 十体との「二世紀半ほどのあいだに、歌をつくることは、表現を媒介にしてあ
 る心の境地を、いいかえればメタフィジィクを獲得することだというところに
 踏みこんでいったのだ」と書いていました。(以下、Webに続く)

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  ●連載「新・玩物草紙」●
   記憶遺産/破れた世界と、ヴェルテップ

  寺田 操
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  2011年5月、ユネスコの「世界記録遺産」に登録された山本作兵衛の筑
 豊炭鉱画は、地下労働者の生活がリアルに描かれた貴重な生活記録であった。
 記録遺産とは、人々の営みを記録した歴史的な文章の保存を目的として
 1992年にはじまり、アンネの日記など76ケ国190件以上が登録されて
 いる。
  炭坑産業の記録は、政府の公文書や企業の記録として残っている。何しろ
 「石炭なくしては国家の発展はなく、文化の興隆はありません」などと言った
 国家エネルギー・プロジェクトだったのだから。けれども、実際に炭坑の現場
 で働いていた労働者のリアルな行為は、ここでは記述されてはいないだろう。
 わたくしは『まっくら―女坑夫からの聞き書き―』(森崎和江著・山本作兵衛
 画/1970・8/現代思潮社)で、炭坑産業とそこで働き暮らす人々の記録
 と文化を知った。それにもまして山本作兵衛が92歳で亡くなるまで描いた2
 千枚近い絵は、実際に現場にいた者にしか分からない死と隣り合わせの地下世
 界を、精緻なタッチで伝達してくれた。(以下、Webに続く)