「哲学的腹ぺこ塾」の例会

●●第72回哲学的腹ぺこ塾」の案内●●
http://homepage3.nifty.com/luna-sy/harapeko.html     
■日  時:2007年11月18日(日)午後2時より。  
■テキスト:和辻哲郎『人間の学としての倫理学』(岩波文庫)    
■報 告 者:野原 燐

最近は、ギルロイの「ブラック・アトランティック」という本とデリダの「マルクスの亡霊たち」という厚い二冊の本に必死で取り組んでいて、和辻はどうでもいいや状態になっていたのですが、そうもいっておられません。

日常生活の一部、朝起きて飯を食うといったことを捕らえて、和辻は言う。
p227
朝起きるのは通例「家」の内においてである。「家」はすでに人間関係を表現してる。あなたが起きいでた部屋は板敷で扉で閉ざせれていたのか。扉をあけるにも一定の仕方があり、そうしてそれがまた存在の仕方を表現している。
我々がそれを意識すると否とを問わず、我々はこれらの了解の上においてのみ朝起きることができる。
このようなことがらの間の諸関係を、存在の表現として根源的に考えていくことから、倫理学は書かれうる。

和辻は確かに秩序肯定感たっぷりで嫌になるところがあります。しかし無視できないテーマを提出していると思うので読んでみたいと思います。