神戸公聴会は肩透かしのアリバイ作りだ!


12/5の神戸新聞によると、昨日の「神戸公聴会」の公聴人全員が慎重論だったそうだ。しかし急遽開催された公聴会の経緯、公聴人の選定方法や傍聴の申し込み要領が公開されていないことなどを勘案すると、慎重派の公聴人ばかりを揃えたのは反対派の「肩すかし」を狙った、かつ政府が慎重派あるいは反対派の意向を充分に汲んでいるというポーズというかアリバイ作りだろう? 間違いない!

審議不足、厳しく批判 神戸で教育基本法参院公聴会

 参議院教育基本法特別委員会の地方公聴会が四日、神戸市内で開かれ、与党が今国会での成立を目指す改正案について、県内外の公述人四人から「審議が足りない」などと反対の声が相次いだ。派遣委員団の北岡秀二団長(自民)は公聴会終了後、報道陣に対し、「国会での審議を十分ご理解いただいていないところもあると思う。まだ審議時間もあるので努力したい」と話した。各公述人の意見要約は次の通り。(霍見真一郎)


細かい規定、不安誘う
兵庫県立高校 PTA連合会副会長 太田勝之氏

 愛国心とは、あくまで人が成長する中で自然に心に芽生える感情であり、「一緒に育てていこう」というものではない。
 また、改正案はかなり細かく国民の教育の方針を規定しているように感じる。現行法で、もう少し対応できないのだろうか。改正されて、今の教育問題が改善されなかった場合、より厳しく国民の教育を指導すべく、項目が増えていくのではないか、と不安に思う。
 教育基本法憲法の次に大切。「国家百年の大計」である教育を審議するには、時間が少ない。


国民の合意づくり重要
宝塚造形芸術大教授 桂 正孝氏

 現行法は憲法とワンセット。改正案は憲法との関係を考えると納得できない。新時代に対応するためならいいが、改正案は「新しい時代」を正しくとらえておらず、多文化共生教育などに触れていない。
 現行法は個人の尊厳に重きを置いているが、改正案は国が必要とする人格の形成を重視。この違いをどう整理するのか。
 愛国心は多様。憲法にある思想の自由との折り合いも検討すべき。公教育の根本にかかわる法改正であり、国民の合意づくりが何より大事だ。


外国籍の生徒に配慮を
大阪府箕面東高校教諭 森本光展氏

 現行法は、今の時代にそぐわなくなってきているように思う。子どもは、学ぶ主体からサービスを受ける主体に変わってしまった。ポスト近代にふさわしい理念を打ち立てて現状を打破できる契機にできるのなら改正も悪くないが、改正案に混じっているように感じる、復古的な国家重視の人間観で、時代状況を切り開けるとは思わない。
 また、郷土愛を利用したナショナリズムを避けるため、「他国を尊重」という文言を入れてはどうか。外国籍の生徒への配慮もするべきだ。


教基法改正案反対 市民ら首相に申し入れ書
神戸市で参院教育基本法特別委の地方公聴会が開かれたのに合わせ、同法の改正に反対する市民らが四日、改正案の廃案などを求め、安倍晋三首相らにあてた申し入れ書を公聴会場に届けた。

 申し入れ書は、市民団体「とめよう戦争への道! 百万人署名運動兵庫県連絡会」など六団体が提出した。

 申し入れ書では、公聴会を「形ばかり」と批判。「愛国心」を盛り込んだ改正案について、「戦争への道」「憲法に則していない」とし、廃案と徹底審議を求めた。

 この日、公聴会場周辺には六団体のメンバー約百人が集まり、約五百枚のビラを配るなどして抗議。「とめよう-」の梶原義行代表(64)は「議論があまりに拙速で、市民に知らされずに進められていることは深刻な問題」と話していた。


神戸新聞」より http://www.kobe-np.co.jp/kobenews/sg/0000184526.shtml