「臓器移植法」改定を考える連続市民シンポジウム 第1回

脳損傷患者をめぐる救急医療とその後の機能回復――臓器提供者を増やす前に――
講演 : 山口研一郎 ・ 紙屋克子

日時:2006年5月21日(日)  12:30PM〜16:30PM 
会場:カメリアプラザ9F商工情報センター・ビジネスホール(亀戸)
会費:1000円(資料代含む)
企画・主催:「臓器移植法」改悪に反対する市民ネットワーク

*企画趣旨
脳死」・臓器移植の推進・拡大が進もうとしている今、「脳死」ドナーを増やすことの必要性ばかりが大きく叫ばれています。しかし、本来、私たちの誰もが、交通犯罪、家庭内や野外の思わぬ事故、また急性脳症や脳血管障害などによって重度の脳損傷を負い、生命の危機にさらされる可能性をもっているのです。救命医療の現状をはじめとして、「脳死」の人が出現する現場の問題、「脳死」をまぬがれた人のその後の問題は十分に知られているでしょうか? また、意識の有無やそのあり方について、あまりに簡単に考えていないでしょうか? 
脳死」の人、「脳死」をまぬがれた人と、それぞれの周囲の家族や親しい者の間に起こっていることを知り、ケアやサポートを充実してゆくことこそが、「脳死」ドナー増加策の前に必要なはずではないのでしょうか。 
一刻を争う救命・急性期と、その後に展開される粘りづよいリハビリテーション、重度の脳損傷の患者をめぐる医療現場の最前線で尽力してこられた医療職お二人のお話を聞きながら、現代医療の中の脳損傷とその救済をめざす医療者のアプローチ、患者と周囲の者の関わりを通じて見えてくる人間の尊厳、そして、これらに臓器移植の推進が落とす影について、「知る」「考える」「話し合う」機会を持ってみませんか?

*講演者プロフィール(敬称略)
●山口研一郎
やまぐちクリニック院長。「現代医療を考える会」代表。長年にわたり、「頭部外傷の若者と家族の会」をはじめとする脳損傷患者会に対するサポートに携わるだけでなく、医療倫理に関する講義・セミナー等を慶応大学ほか多数で行っている。著書に「有紀ちゃんありがとう」「脳死臓器移植拒否宣言」「脳受難の時代」など。
●紙屋克子
筑波大学大学院人間総合科学研究科教授。日本意識障害学会会長。一般に“植物状態”と呼ばれる脳損傷の患者に対し、独自のナーシング技術をもとに多くの機能回復を実現している。著書に「ナーシング・バイオメカニクス: 自立のための生活支援技術」など。

*当日プログラム
 □12:00〜12:30  受付
 ■12:30〜12:45  企画趣旨説明
  12:45〜13:30  講演 山口研一郎
  13:30〜14:15  講演 紙屋克子
   (休憩:14:15〜14:30)
 ■14:30〜15:30  パネル・ディスカッション(質疑応答含む)
 ■15:30〜16:30  会場交流―当事者アピールをはじめとして様々な方からの幅広い発言を歓迎します。

*問い合わせ・連絡先:「臓器移植法」改悪に反対する市民ネットワーク
電話:03−5624−6064(市民会議・夜間)