Web評論誌『コーラ』29号

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 ●新連載<前近代を再発掘する>第4回●
  浪人的なものをめぐって
  岡田有生・広坂朋信
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  ■高時天狗舞
 『太平記』の「相模入道田楽を好む事」(第五巻4)は、田楽に耽溺する得宗
 北条高時を印象的に描いている。
  当時、京都で田楽が大流行だと聞いた高時は、田楽の一座を鎌倉に呼んで、
 これに夢中になった。ある晩、酔った高時が自ら田楽舞を踊っていると、どこ
 からか十数名の田楽一座の者があらわれて、高時とともに舞い歌った。これが
 実に面白かった。しばらくしてから歌の調子が変わって「天王寺の妖霊星を見
 ばや」と歌いはやした。高時の屋敷に仕えていた女中が障子の穴からのぞいて
 みると……。(以下、Webに続く)
 
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 ●連載:哥とクオリア/ペルソナと哥●
  第39章 和歌三態の説、貫之・俊成編
  中原紀生
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 ■定家と虚なるもの、あるいは「かげもなし」の余韻
  俊成自讃の「おもて歌」が、歌の本質を「広がり」にではなく「深み」にお
 いて見る中世詩歌の特徴を自覚的・予感的にあらわしていた、と大岡信氏が指
 摘する「夕されば野べの秋風身にしみて鶉なくなりふかくさの里」であったと
 して、それでは、定家の代表歌はなんだろうか、それは、武野紹鴎が佗び茶の
 湯の心をこの歌に見出した、と「南方録・覚書」が伝える「見わたせば花も紅
 葉もなかりけりうらのとまやの秋のゆふくれ」なのか、いや、百人一首に撰入
 された「来ぬ人をまつほの浦の夕なぎに焼くや藻塩の身もこがれつつ」こそ文
 字通りの自撰歌ではないか、いやいや、それは「歌織物」(林直道)もしくは
 「グラフィック・アナグラム」(丸山圭三郎)を編集する企みゆえの撰歌だっ
 たかもしれない、などと自問自答しているうち、成立年及び作者はともに未詳
 ながら、後鳥羽院から西行法師まで十七人の新古今歌人が各々十首ずつ秀歌を
 自撰したとされる「自讃歌」なる文献があることを知り、さっそく検索し定家
 の部を拾い読みしたところ、掲載順が価値の序列をあらわしているわけではな
 いにせよ、第一の「春の夜の夢の浮橋とだえして嶺にわかるる横雲のそら」と
 第三の「年もへぬいのるちきりはゝつせ山おのへのかねのよそのゆふくれ」の
 間に掲げられていたのが、(以下、Webに続く)

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 ●連載「新・玩物草紙」●
  太陽帆走/坂道 
  寺田 操

http://homepage1.canvas.ne.jp/sogets-syobo/singanbutusousi-33.html
  鳥のように自由に大空を飛びたいという夢は、大量輸送の飛行機から小さな
 プロベラ機、気球、スカイダイビングと実現されてきた。それだけでは物足り
 ない。空飛ぶ絨毯やスーパーマンのように人の身体が赤いマントをひるがえし
 て空を泳ぐように、飛びたいと夢を追っているうちに空飛ぶ「ウイングスー 
 ツ」の登場だ。2016年1月4日の某新聞記事には富士山近くを飛行する 
 ウィングスーツが映っていた。両手両足を広げて飛ぶ姿は気持ちよさそうだ。
 垂直に落花するスカイダイビングと違って水平飛行。この空飛ぶスーツは  
 1990年、フィンランドの企業が開発し、一着約20万円。小型飛行機に乗
 りこみ、タイミングを計り空へと飛びだす。鳥たちはお仲間が増えたと歓迎す
 るだろうか、それとも奇怪な新種だと目をそらすだろうか。
 (以下、Webに続く)