Web評論誌『コーラ』24号のご案内

予定通り、2014年12月15日に発行いたしました。
今回の国政選挙は戦後最低だそうですが、自民党の圧勝でいよいよ憲法「改正」の動きが高まってきますね。これまでの「民意」の過半数は「改正」に反対/慎重でしたが、それは国会での議論に反映されるのでしょうか。あるいは、国会議員は街頭の声(デモ等)を傾聴するのでしょうか。

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 ●書評●
  「未発の政治」は、いつ発現するのか
   ――『沖縄闘争の時代1960/70』を読んで考えたこと
  
  田中佑弥
  http://homepage1.canvas.ne.jp/sogets-syobo/syohyou-24.html
  便宜上、「書評」という形にしておくけれど、専門的見地から評価するとい
 うことではない。大野光明『沖縄闘争の時代1960/70――分断を乗り越える思
 と実践』(人文書院、2014年)を読んで、大阪に暮らす一住民として考え 
 たことを記しておきたい。
  関西における米軍基地問題への取り組みを特集した『PACE』8号(著者が中
 心になって編集されている)によって著者が、「大阪沖縄連帯の会」の研究、
 京都で米軍基地問題について考える「スワロウカフェ」という活動を行ってい
 ることを知り大変興味を持っていたところ、『沖縄闘争の時代1960/70』(以
 下では「本書」と表記し、引用は頁数のみを示す)が出版され早速読んでみ 
 た。(以下、Webに続く)

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 ●連載:哥とクオリア/ペルソナと哥●
  第31章 言語・意識・認識(認識フィールド篇、破の部)
  http://homepage1.canvas.ne.jp/sogets-syobo/uta-31.html
  第32章 言語・意識・認識(認識フィールド篇、急の部)        
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  中原紀生

 ■二つのこころ─古今序を原起点とするやまとうたの思想
  前章の末尾で、古今集仮名序および真名序をとりあげた際、「こころ⇒こと
 のは」と「心地⇒詞林」の重層構造に関連して、「こころ」の二相化、という
 表現をもちいました。これは、もちろん私の創作ではなく、井筒豊子のオリジ
 ナルな議論にもとづくものです。
  仮名序において、ひとの「こころ」(意味単位群もしくは意識フィールド)
 を「たね」(根源・根基)として「ことのは」(言語単位群もしくは言語  
 フィールド)となったものがやまとうたであり、そして「こころ」と「ことの
 は」の相関者として現象するのが森羅万象(としての「よろづ」、すなわち存
 在単位群もしくは認識フィールド)であるとされ、また真名序において、和歌
 とはその根を「心地」(空すなわち非現象)に託け、その華を「詞林」(仮す
 なわち現象)に発くものであるとされたこと。この、古今序の二つのテクスト
 に登場する二つの「こころ」、真名序由来の「心地」と仮名序由来の「ここ 
 ろ」の関係をめぐって、井筒豊子は、それらは、すなわち「心地[こころ]的
 全一主体」と「言語分節的意識主体」とは、「同一の心的主体性の、先行・後
 行的二位相[フェイズ]」として現象的に展開するものであり、同時にまた、
 「二種の独立固有の主体的事態」でもある、と規定しています。
 (以下、Webに続く)

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  ●連載〈心霊現象の解釈学〉第7回●
   妖怪学の衝突

  広坂朋信  
  http://homepage1.canvas.ne.jp/sogets-syobo/sinrei-7.html
  これまで、このわがまま勝手な断続的連載でカント、ヘーゲル、エンゲル 
 ス、ベルクソンの心霊現象論を見てきたが、私自身が共感するのはカントとベ
 ルクソンである。
  ヘーゲルの場合は自らの哲学体系と一致しないから骨相学を否定し、逆にメ
 スマーの動物磁気説については自らの哲学体系に親和的であるから肯定したと
 いう印象がある。いずれにしてもヘーゲルは伝聞によってしか情報を得ていな
 いし、しかもその理論しか見ていない。
  エンゲルスの骨相磁気学批判、交霊術批判は実証精神にあふれている点で好
 感が持てるが、やはり否定のための検証という印象がある。とはいえ、心霊学
 的には、具体例を検討しないで動物磁気説に引っかかったヘーゲルより、実例
 を自ら検討したエンゲルスの方がはるかにましであるし、骨相磁気学が一種の
 催眠術、交霊術に至ってはトリックであり、むしろ問題はこれにひっかかる科
 学者の側だという指摘はまことにごもっともである。(以下、Webに続く)

ジョン・ラーベ 〜南京のシンドラー〜

明日の上映です。
このチャンスでないと観られないかも? ですね!

ジョン・ラーベ 〜南京のシンドラー〜 上映会
南京事件を描いた日本未公開の話題作が遂に公開
18:00 会場:神戸学生青年センター 入場料:1000円 
主催:神戸・南京をむすぶ会
http://www17.plala.or.jp/kyodo/1209.pdf

因みに、
『南京!南京!』(中国映画 監督:陸川/ルー・チューアン 2009年公開)を
youtubeで鑑賞できます。これも日本では未公開です(映画で使用している音楽の著作権の問題らしい)。
  ↓
https://www.youtube.com/watch?v=VWjHyCKaRUg
日本語字幕で全編鑑賞できます。通俗的な「反日映画」ではなく、魂を揺さぶる傑作だと思います。

Web評論誌『コーラ』23号を、予定通り8月15日に刊行いたしました。

いちおうお盆が過ぎましたので、残暑お見舞い申し上げます。

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  ●連載:哥とクオリア/ペルソナと哥●
   第30章 言語・意識・認識(認識フィールド篇、序の部)

  中原紀生
  http://homepage1.canvas.ne.jp/sogets-syobo/uta-30.html
  井筒豊子は、和歌論三部作の第二論文「意識フィールドとしての和歌」の 
 末尾に、「蛇足」として、次の一文を書き加えています。
 (以下、Webに続く)

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  ●連載〈心霊現象の解釈学〉第6回●
   心霊科学のトンネル

  広坂朋信  
  http://homepage1.canvas.ne.jp/sogets-syobo/sinrei-6.html
  科学に対する迷信

  化け物がないと思うのはかえってほんとうの迷信である。宇宙は怪異に満ち
  ている。あらゆる科学の書物は百鬼夜行絵巻物である。それをひもといてそ
  の怪異に戦慄する心持ちがなくなれば、もう科学は死んでしまうのである。
  (寺田寅彦「化け物の進化」『寺田寅彦随筆集第二巻』岩波文庫

  ちょうど去年の今ごろ(7月中旬)、テレビ番組の制作会社の人から電話が
 かかってきて取材を申し込まれた。逗子の通称「お化けトンネル」について話
 を聞きたいとのことだった。 (以下、Webに続く)

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  ●連載「新・玩物草紙」●
   書店事情/眠る女たち

  寺田 操
http://homepage1.canvas.ne.jp/sogets-syobo/singanbutusousi-13.html
  古書ミステリー倶楽部』(ミステリー文学資料館編・光文社文庫/2013
 ・10)を開くと江戸川乱歩の口絵がとびこんできた。経営していた三人書房
 (「貼雑年譜」より)のスケッチだ。このアンソロジーは、城昌幸「怪奇製造 
 人」、甲賀三郎「焦げた聖書」などの戦前の古書ミステリーから、松本清張 
 「二冊の同じ本」、戸板康二「はんにん」、石沢英太郎「献本」、梶山季之
 出久根達郎早見裕司、都築道夫、野呂邦揚、紀田順一郎仁木悦子などなん
 とも豪華なラインナップ。いっきに読んでしまいたいので持ち歩き、阪急電車
 のなかで読み終えて下車したのは神戸・三宮駅西口。繁華街の細い路地、東門
 筋を抜けて山手幹線へでる。にしむら珈琲を山へ向かって坂道をあがる。途中
 で雨が降りだしてきたが、坂道を濡れて歩くのはなんとも風情があって絵にな
 る。だれか私の後姿を入れてスケッチしてくれないかしらと妄想。
 ((以下、Webに続く)

Web評論誌『コーラ』22号のご案内

「桜舞ふ どこへ惑うか きょうのみち」→「桜舞ふ 惑いて冥く きょうのみち」
なんてね?
みなさまは花見をされましたでしょうか?
拙宅の近所には桜の名所で有名な川沿い公園がありますので、今年も花見客がたくさん訪れておりましたが、もはや葉桜。

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 ●現代思想を再考する[第2期]4(最終回)●
  歴史の教訓的使用について

  広坂朋信
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 まえおき
  カントをもじって「歴史の教訓的使用」と題したからには、マルクスから 
 「一度は偉大な悲劇として、もう一度はみじめな笑劇として」の名文句を引い
 てその出典について蘊蓄をひとくさりしつつ、おもむろにハーバーマス「歴史
 の公的使用について」(『過ぎ去ろうとしない過去』)を引っぱり出して歴史
 修正主義について論じるといった「遊び」が必要だというのが、このリレー 
 エッセイで私が主張してきたことの一つである。
  白か黒か短兵急に決着をつけたがる議論は危い。せめて結論のない蘊蓄をひ
 とくさりするくらいの「遊び」がないと、考えることが苦痛になる。それは裏
 返せば、思想が恫喝の道具になりかねないということだ。さあ考えろ、結論は
 これだ、というわけだ。来年あたりから小中学校で実行されようとしている教
 科としての道徳教育とはそうした恐喝に、きっとなる。(以下、Webに続く)

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  ●連載:哥とクオリア/ペルソナと哥●
   第28章 言語・意識・認識(意識フィールド篇)
   http://homepage1.canvas.ne.jp/sogets-syobo/uta-28.html
   第29章 言語・意識・認識(意識フィールド篇、余録と補遺)
   http://homepage1.canvas.ne.jp/sogets-syobo/uta-29.html
   中原紀生
 
  ■漢語系と和語系、二つの言語意識
  井筒豊子・和歌論三部作のうちの「意識フィールド」論文を、かれこれもう
 一年近く読みあぐねています。
  この間、矯めつ眇めつ繰りかえし眺めているのにいまだ見極めがつかず、 
 しっくり腑に落ち得心できたという実感がこみあげてきません。なにがどう論
 じられているかは読めば判るし、判ればとても刺激を受けるのに、読みかえす
 たびまた初めての読中読後感が立ちあがってきて、どうにも読み尽くせない。
 「言語フィールド」論文もけっして御しやすくはなかったものの、それでも論
 じられている事柄や主張それ自体はとてもシンプルで、かつ、議論の輪郭や筋
 道もくっきりと見通しがきくものだったのですが、「意識フィールド」論文 
 は、文章、構文、叙述の全般にわたって複雑、錯綜の程度が高まり、読みくだ
 し理解するのに難渋をきわめるのです。(これが「認識フィールド」論文とも
 なると、文章量の飛躍的な増量とともに論述の中身の複雑、錯綜、晦渋の質が
 より高次の域に達して、もはやその精緻きわまりない顕微鏡的な解像度につい
 ていけない。)((以下、Webに続く)

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  ●連載「新・玩物草紙」●
   捨児/富士

  寺田 操
http://homepage1.canvas.ne.jp/sogets-syobo/singanbutusousi-12.html
  小川洋子「イービーのかなわぬ望み」(『夜明けの縁をさ迷う人々』角川文
 庫/2010・6)は、街で一番古い中華料理店のエレベーターのなかで産み
 落とされ、母に姿を消された男の捨児の物語だ。出産に遭遇したが縁で捨児を
 育てることになった洗い場のチュン婆さんは、赤ん坊を背中にくくりつけて皿
 洗いをし、流し台の陰でミルクを飲ませ、店の一角で捨児と一緒に寝起きし 
 た。イービーと名付けられた彼がヨチヨチ歩きするころになるとエレベーター
 が遊び場となり、一日中そこで過ごすようになった。エレベーターには可愛い
 男がいると評判になり、中華料理店にはなくてはならないマスコットになった
 彼だが、育ての親が死ぬとエレベーターに駆けこんでひきこもり、そこが住居
 であり仕事場であるといった完全なエレべーター・ボーイとなった。時は流 
 れ、中華料理屋の閉店、老朽化した建物の取り壊しがはじまった。エレベー 
 ターからウェイトレスに抱きかかえられて救出され、はじめて外界の空気に触
 れたイービーだが、しだいに輪郭を失くし、余生をすごしたいと願ったエレ 
 ベーターテスト塔が見えたとき、肉体は消えていた。((以下、Webに続く)

社会福祉法人釜ヶ崎ストロームの家 入居者追い出し事件 裁判提訴集会

貧困ビジネスはこの間マスコミ等でも取り上げられていますが、「支援」という名目の社会ビジネスとかNPO・福祉法人における人権侵害は、なかなか表面化しないのですね!

なお、社会福祉法人釜ヶ崎ストロームの家と社会福祉法人ストローム福祉会は別の法人です」とのことですが、紛らわしいですね!

社会福祉法人釜ヶ崎ストロームの家 入居者追い出し事件 裁判提訴集会
  利用者の自己決定が尊重される支援を!

日時:2014年4月6日(日) 16時から
会場:喜望の家 (所在地:大阪市西成区萩の茶屋2-8-18)

   集会後は、交流会もやるンデス!!
       
主催:釜ヶ崎ストロームの家による人権侵害を許さない会
 呼びかけ人:大谷隆夫(釜ヶ崎医療連絡会議代表理事
       生田武志(野宿者ネットワーク代表)
 呼びかけ団体:ユニオンぼちぼち(関西非正規等労働組合

 発端となった不当解雇事件

 釜ヶ崎ストロームの家で働いていた清水裕さんは2013年2月22日の朝、上司から突然懲戒解雇を言い渡されました。解雇理由は「利用者に他の施設の話をしたため」という納得しがたいものでした。その後、組合との交渉で施設側は不当な懲戒解雇を撤回しました。しかし、清水さんを解雇したこと判断は間違っていないという主張を崩しませんでした。

 2013年3月26日 入居者追い出し事件

 坂本篤重さんは2009年頃からジョイに入居し、就職に向けて頑張ってきました。ストロームの職員は数年にわたり「うちが支援してやらなかったら、今頃は刑務所」などと、過去に逮捕歴のある坂本さんを脅してきました。また、清水さんの不当解雇事件に疑問を持ち、ジョイの食事をとらなくなった坂本さんに「そんな事をしたらジョイを出て行かなければいけない」「坂本さんが清水さんと連絡を取れば、清水さんは精神保健福祉士の資格を失い、刑務所に入れられる。携帯の番号を消しなさい」とも脅した疑いがあります。
 坂本さんは脅しに屈しなかったため、ストロームの家の職員から「生活態度が悪い」と評価を受け、既に内定を受けていた就職を勝手に断られました。軽度の知的障がいで、読み書きに障がいがある坂本さんと就職先との間の連絡はストロームの家の職員が行っていましたが、その立場を利用し、勝手に就職先に電話を入れて内定を取り消したのです。更に、3月末日までの家賃が支払い済みであるにも関わらず、担当職員の乾氏はジョイの鍵を取り上げ、着替えも家具も持たせないまま自室への立ち入りを禁止し、彼を路上に放り出しました。

 坂本さん事件は村田浩治弁護士(堺総合法律事務所)、南和行弁護士(なんもり法律事務所)、吉田昌史弁護士(なんもり法律事務所)の3人の弁護士が引き受けて下さる事になりました。
 今回の集会では、3人の弁護士の方々を迎え、裁判でどう闘っていくのかを話していただきます。集会後には交流会も予定しております。是非お越しください。

社会福祉法人釜ヶ崎ストロームの家と社会福祉法人ストローム福祉会は別の法人です。http://unionbotiboti.blog26.fc2.com/blog-entry-360.html

Web評論誌『コーラ』21号のご案内

★追伸2014/03/07)、Web評論「コーラ」サイトが、新URLに移行しましたのでリンクされている方はご変更をお願い申し上げます。
新URL:http://homepage1.canvas.ne.jp/sogets-syobo/index.html

なお、旧URLの<http://sakura.canvas.ne.jp/spr/lunakb/>の部分を、<http://homepage1.canvas.ne.jp/sogets-syobo/>に差し替えると、バックナンバーのURLリンクも更新できます。

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うーむ。やっと、ログインできました。
またもやパスワードを失念してしまって、この間ログインできず更新できませんでしたよ。

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 ●現代思想を再考する[第2期] 3●
  グノーシス的日本

  広坂朋信(コメント:岡田有生)
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  1.柄谷行人の今村社会哲学評
  柄谷行人は、朝日新聞2005年04月17日付けの書評欄で、今村仁司の『抗争す
 る人間』(講談社)を取り上げた。その記事で柄谷は「本書は、社会哲学者と
 して知られた著者の、これまでの仕事を集大成するような力作である」と儀礼
 的に評価しながら、今村の議論を次のように要約している。
 (以下、Webに続く)

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  ●連載:哥とクオリア/ペルソナと哥●
   第27章 言語・意識・認識(言語フィールド篇)

  中原紀生
  http://homepage1.canvas.ne.jp/sogets-syobo/uta-27.html
  ■井筒豊子の和歌論三部作
  日本古典文学、とりわけ古今、新古今をめぐる言語哲学的意味論。この、実
 現されなかった井筒俊彦の和歌論を「類推」させる仕事として、若松英輔氏は
 『井筒俊彦──叡知の哲学』で、次の五つの事例をあげていました。
  その第一は、千載集における幽玄の復活を論じ、和歌の蘇生を、そして同時
 に和歌における自覚的な伝統の樹立を考察した風巻景次郎の『中世の文学伝 
 統』、(風巻景次�欖いわく、「だから私は『千載集』の抒情調をもって幽玄で
 あるということにしよう。そこで『千載集』が『古今』の正調に復したという
 のは、つまり幽玄の調を打ち立てたことにほかならぬのである。ただ『古今 
 集』と『千載集』とではどこがちがっているのであるかといえば、それは『千
 載集』は、幽玄という如きことを「詩」の必要条件として要求する心の生んだ
 ものであったということである。『古今集』にはそうした意識はまだ成立して
 いないのである。((以下、Webに続く)

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  ●連載「新・玩物草紙」●
   猫は美形を保ったまま/人形姫

  寺田 操
http://homepage1.canvas.ne.jp/sogets-syobo/singanbutusousi-11.html
   (以下、Webに続く)
  中華そば屋の暖簾の下を猫がのんびり歩いていく表紙の文芸雑誌「猫町文 
 庫」3集(2012・5)を開くと、和田ゆりえ『猫屋敷』に手招きされ  
 た。
 《古代エジプトでは飼い猫が死ぬと、人々は眉を剃り落として悲しみ、ミイラ
 にしてバステト女神の神殿に奉納したといいます。》《彼らすべてに心優しい
 飼い主がおり、死後はふたたび彼らといっしょに暮らしたいという願いを込め
 て、丁重にミイラにしたのです。》
  古代エジプトでは死後の永遠が信じられているから、猫のミイラもあるのだ
 ろう。イギリスの探検隊がエジプトで30万体の猫のミイラを発見したという
 が、小説の主人公は古代エジプト人ではない。猫と共生している独身女性の暮
 らしを描いた作品だ。クレオパトラが黒猫を抱いて寝ている姿が目に浮かん 
 だ。 ((以下、Webに続く)

Web評論誌『コーラ』20号のご案内

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 ●現代思想を再考する[第2期] 2●

  自由の条件─―今村仁司『排除の構造』から

  岡田有生(コメント:広坂朋信)

  http://homepage1.canvas.ne.jp/sogets-syobo/gendaisisou-s2.html

  はじめの頃(『コーラ』16号)に今村仁司の80年代の仕事について書いたこ

 とがあったが、そこでは最も有名な著作『排除の構造』については論じること

 が出来なかった。

  今回は1989年に単行本が出版されたこの本の内容について考え、現在の社会

 状況との関わりを探ってみたい。(以下、引用文のページ付は1992年出版のち

 くま学芸文庫版のもの)(以下、Webに続く)

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●連載〈心霊現象の解釈学〉第4回●

  生きている女の幻と心霊研究

  広坂朋信  

  http://homepage1.canvas.ne.jp/sogets-syobo/sinrei-5.html

当代一流の科学者たちが認めたのだから心霊現象は証明されたと誇らしげに

 語る人もいる。その一方で、一流の科学者ですら心霊術師のトリックに引っ掛

 かったのが嘆かわしいという人もいる。いずれの場合も、科学の役割を過大評

 価している。

  カントは理論の暴走を経験によってたしなめた。エンゲルスは経験の過信は

 理論によって正すべきだと提言した。

  この連載コラムの前々回で、私はヘーゲルのメスメリズム評価を検討しなが

 ら次のように書いた。 (以下、Webに続く)

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  ●連載:哥とクオリア/ペルソナと哥●

   第24章 存在の風に吹かれて──和歌のメカニスム?

   http://homepage1.canvas.ne.jp/sogets-syobo/uta-24.html

   第25章 存在の風に吹かれて(承前)──和歌のメカニスム?

   http://homepage1.canvas.ne.jp/sogets-syobo/uta-25.html

   第26章 存在の風に吹かれて(附論)──和歌のメカニスム?

   http://homepage1.canvas.ne.jp/sogets-syobo//uta-26.html

  中原紀生

  ■深層意識的言語哲学、二十世紀の神学

  司馬遼太郎との対談で井筒俊彦が語った、古今、新古今の思想的構造の意味

 論的研究の話題への伏線、その一。

  若松英輔著『井筒俊彦──叡知の哲学』のなかで、もっともすぐれた着想で

 あり業績である(と私には思われる)、白川静の文字学と井筒俊彦の「深層意

 識的言語哲学」との比較論をとりあげたいと思います。

  まず、二十世紀の言語学について書かれた若松氏の文章を二つ、その言外の

 拡がりや味わいを含めて丸ごと抜き書きします。(以下、Webに続く)

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  ●連載「新・玩物草紙」●

   ペンギン/ゴジラ

  寺田 操

http://homepage1.canvas.ne.jp/sogets-syobo//singanbutusousi-10.html

  コカコーラの缶を投げるとペンギンに変身する。チェス盤から大きな泡がは

 じけるような音がしてコウモリが生まれる。シロナガスクジラのような銀色の

 生き物が川で泳ぐ。それらを作るマジックを起こす歯科医院につとめるお姉さ

 んと、チェスの対戦相手である小学四年のアオヤマ君の物語が、森見登美彦 

 『ペンギン・ハイウェイ』(角川文庫・2012・11・25)だ。こんな魅力

 的なコンビがいたらこの世は何と面白くなるだろう、降りつもる雪のなかに立

 つ幻のペンギンに挨拶してみた。 (以下、Webに続く)